平成21年度 社会貢献プロジェクト報告

  • テーマ:“本音で語りみんなで考えようこれからの高齢者地域ケア” ― 介護者が本当に支えてほしいこととは ―
  • 開催日時:平成22年3月11日 19時~21時
  • 開催場所:筑波大学総合研究棟D D115ホール
  • 主催:筑波大学大学院 人間総合科学研究科 田宮研究室
  • 座長:室井 勝(医師)
  • 話題提供者:田宮 菜奈子(筑波大学人間総合科学研究科教授・医師)
  • 後援:つくば市
  • 参加者:介護者4名、医師2名、ケアマネージャー14名、看護職6名、介護職3名、その他30名 合計59名
  今後、さらなる増加が予測される、地域で療養生活を送っている高齢者を介護している家族(以下、家族介護者)を地域全体で支えていくための実践的な取り組 みとして、当事者(介護者)、サービス提供者(医師、看護師、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー等)、自治体(茨城県、つくば市)等、地域高齢者ケアに 関わる様々な立場の人が自ら参加して、つくば市における家族介護者に対する支援の課題を解決することを目的としたワークショップを企画・開催いたしまし た。
 ワークショップの企画にあたっては、つくば市で30年以上在宅医療を行い、行政(つくば保健所、つくば市)、つくば市医師会、介護支援専門員、在宅ケア 提供者、地域の介護者団体とのネットワークをもつ医師(室生勝氏、前つくば市医師会)の協力を得ました。
1)介護者の現状と課題
①経済的問題
②人間関係(家族関係)の問題
③介護者の問題
(高齢化、心身の負担、介護者同士の意見交換の場がない)
④サービス提供者側の問題
(提供者による違い、知識不足、待遇の不備)
⑤地域ケアシステムが機能していない

2)介護者が本当に支えてほしいことは何か
①サービスがすべてではない、精神的支えが大切
②介護者を理解してくれる医療者の存在
③地域の連携不足
④サービスの不足(レスパイトケアなど)
⑤経済的支援(介護度に応じた現金給付システムなど)

皆様のグループ討論・発表より、室生先生、田宮教授がまとめ
追加発言した内容につきましてはこちらをご覧ください。
  本ワークショップでは、つくば市の在宅医療・介護の現状をヒアリングするとともに、当研究室が提供する研究成果の内容、情報交換の方法について話し合いを 重ねました。本ワークショップは演者と聴講者のやりとりではなく、現在在宅ケアに従事している介護支援専門員や在宅ケア提供者(医師、看護師、介護士等) にファシリテータを依頼し、介護者を含め様々な立場の方が自由に発言できるグループディスカッション形式で情報交換を行いました。ワークショップでは、ま ず田宮菜奈子教授が、話題提供として国内外における介護サービスや介護者支援の実態および、これまでに当研究室が茨城県やつくば市との協働で行った在宅ケ アの実態調査についてデータを用いて分かりやすく説明しました。
 その後、グループに分かれ、「高齢者ケアの現状」、「介護者は何を支えてほしいのか」をテーマに情報交換を行いました。各グループには前述のファシリ テータのほか、当研究室の大学院生を書記として配置し、各グループでのディスカッションの経過とグループのまとめ、発表を行いました。

 つ くば市高齢福祉課・課長補佐より、ワークショップのまとめに対してつくば市でできることを検討していきたいとのお言葉をいただきました。さらに、ワーク ショップ終了後、茨城県つくば保健所長より、当研究室やヒューマン・ケア科学専攻などの筑波大学の多彩な人材を活用し、介護者のピアサポーターの育成を行 うなど、なにか一緒に取り組んでいってはどうか、というお話もいただきました。

○今後の展望○
 今回の経験を通し、今後も市民の方々のお声を聞かせていただき、高齢者ケアの課題解決方法をともに論ずることが大変重要であることを再認識しました。 そして、大学として、そうした課題を解決するために、さらなる研究を進め、さらに、保健所、市などと連携を図り実践に移していきたいと思います。

 最後になりましたが、お忙しい中、夜遅くの時間帯にもかかわらずご足労くださった参加者の皆様に、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

ページ先頭へ戻る